市政の動き−議会・政策・見解
【19.10.02】9月議会最終日討論です。
教育長の再任+人事について堀田市議の討論
以前,教育委員長と、教育長は市長から任命・議会で同意された教育委員のなかから選ばれていました。
制度が改められ委員長と教育長は一本化されました。
その教育長を議会の同意を得て直接任免することとなりました。
市長から独立した行政委員会ですが、その長を任免することは、市長の人事策の一端でもあります。
今回の人事、すでに7年を経過、8年目に入っています。
今度選任したら11年になります。
命の尊さを学ぶ場で、前途ある児童生徒がいじめを理由に転落死する悲しい事件が起きました。
いじめのメッセージがありながら、応えられなかった、その背景にそれどころでない教員の忙しさ 子どもに向き合えていない現実があったのでは。
校長も 教育長も「情報の共有ができていなかった」と述べています。そのとおりですが、なぜ情報に共有ができなかったのか疑問を抱くことなく、責任を現場に押し付けている感が否めません。
教員の働き方改革は待ったなしです。わけても研修校の教員の多忙化は尋常ではありません。
岐阜県教育委員会義務教育総括監 小林直樹氏の「岐阜県の教師教育制度と教職大学院」と題した論文で、教員一日当たりの時間外勤務時間の指摘があります。
実習校(市内小学校の4校)の平均 4時間40分
一般校(上記以外の市内の44校)の平均1時間36分
教育長再任の方向が新聞に出て、教育現場からは歓迎の声でなく、”いい加減にして”の声が届いています。校長先生からもです。
土曜授業 学校の自主性を無視して、原則第一土曜日に行うよう指示しています。教職員組合が行ったアンケートには小学校21校、中学校12校 521人から回答がありました。414人80%が無くしてほしいと答えています。部活、クラブ活動、習い事は優先されることから欠席者が多い。部活には引率も必要で、学校が手薄、労多くして実り少ない。
ペッパー、タブレット、スペースアゴラーなどは、児童生徒の一時的な関心は期待できますが、生活能力、人間的諸関係の向上につながるか、第三期の市教育振興基本計画に照らしても、児童生徒の実態に見合ったものかどうか疑問。
目新しさに目を奪われて、あれこれ推進してきたけれど、子ども、保護者、教員にどれほど向き合ってきたか、教育行政のトップとして大切なものを見失っていないか、長期になり油断、慢心がありはしなかったか。
子ども議会を傍聴する機会がありました。
教育長が出席しておられ、最後に講評をされました。講評の冒頭に転落死について言及されましたが、語られたのはご自身のことで「人生最大の試練にさらされている云々、まもなく本物の議会がある追及されるでしょうが、乗り越えねば・・・」
転落死した児童生徒がどんな心境であったのか、子を失った家族がどんな日々を送っているのか、その悲しみに寄り添う姿勢はうかがえませんでした。
「いじめ問題対策委員会」に今回の事案について、事実関係を明確にするための調査、再発防止策の提言を求めて、諮問され、かたずをのんで答申を待っている状況であり、この段にあって身を引くのはきっと心苦しいことかと存じますが、組織です。諮問は岐阜市教育委員会が行っているのです。再任には同意できません。お疲れさまと申し上げたい。